橘くん、今日もすきです
冷めた目というか、憐みの目…??
どっちにしろ、そんな目を向けないで!?
って叫びたくなったその時、
「空先輩いますか?」
教室の後ろ扉から発せられたであろうその声が聞こえた私は、瞬く間に振り向いて目を輝かせた。
だってそれは、
私の好きな人、橘春希(たちばなはるき)くんの声だったから。
いてもたってもいられず、ガタンと音を立てて椅子を立ち上がって、一目散に橘くんのところへ向かった。
「橘くんっ!おはよう!」
私がもしも犬だったらしっぽをはち切れるくらい振っているのが想像できるくらい、今の私は橘くんに会えて喜んでいる。