橘くん、今日もすきです
「あ、空先輩」
空くんがくると同時に橘くんがホッとしたような表情見せるから、なんだかちょっとだけ空くんに嫉妬する。
わたしも橘くんにわざわざ2年の階まで会いに来て欲しいし下の名前で呼んで欲しい!なんて、空くんからしたら迷惑な話だ。
「空先輩って文系っすよね?」
「うん??そうだけど…?」
私も文系だよ!なんて心の中では言うけど、声には出さないでおいた。
これ以上引かれたら悲しいもん。
「俺、この前大雨の日に、傘忘れちゃって。そしたらカバンに入れてた数学の問題集がこんなんになっちゃって…」
そういって橘くんが見せたのは文字が滲んで解読できなくなってしまった数学の問題集。