橘くん、今日もすきです
「いつも困らせちゃってごめんね、橘くん」
私が眉を下げて笑ってみせると、
「ごめんって思うなら言わなければいいのに」
なんて言ってくる冷たい橘くん。
でもね、私は知ってるんだよ。
そんなこといってる橘くんが本当は私を傷つけたって思って、私より傷ついてること。
だって君は本当はとっても優しいから。
だから私は橘くんを嫌いになれないんだ。
むしろ想いはずっと、強くなっていくだけ。
「好きだからいいたいのー!!」
「…そうですか、じゃあ、俺戻るので」
もう戻っちゃうのかって内心すこし寂しいけど仕方ない。
1年生はフロアが違うからそろそろ戻らないと遅刻になってしまう。