橘くん、今日もすきです
「えっ……手、いいの?」
だめ、って言われても離さないけど。
ぎゅっと橘くんの手を握りながら聞くと、
「今日は守るって言いましたよね」
無表情のまま、そんなかっこいいことを言ってのける橘くん。
…反則。
かっこよすぎるよ、橘くん。
すきだよ、橘くん。
「次のペアどーぞー」
レク委員、なんて楽しそうな委員会の委員さんが私たちを通す。
校舎に入る足は、震えなかった。
隣に橘くんがいて、手を繋いでて、その温もりと安心感が、恐怖心を取り除いて。