橘くん、今日もすきです
私って、怖いの苦手だったっけ?って不安になるくらい。
なんだか幸せで溢れていた。
「ちょっとだけ怖かったけど、たのしかった〜ぁ!!」
校舎から、外へ出た私の第一声がそれだ。
脅かし役の人が出てくるたび、橘くんが私の手を落ち着かせるように握ってくれて、びっくりしたけど、楽しかった。
幸せだった。
「白糸先輩ぜんぜん苦手じゃないじゃないですか」
「うんっ!橘くんのお陰で克服しちゃったみたい!!ありがとう〜っ!」
「別に…俺はなにも…」
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、橘くんが照れているように見えて、
ただの私の思い込みかもしれないけど嬉しい。