橘くん、今日もすきです



私って、怖いの苦手だったっけ?って不安になるくらい。
なんだか幸せで溢れていた。




「ちょっとだけ怖かったけど、たのしかった〜ぁ!!」




校舎から、外へ出た私の第一声がそれだ。

脅かし役の人が出てくるたび、橘くんが私の手を落ち着かせるように握ってくれて、びっくりしたけど、楽しかった。
幸せだった。




「白糸先輩ぜんぜん苦手じゃないじゃないですか」

「うんっ!橘くんのお陰で克服しちゃったみたい!!ありがとう〜っ!」

「別に…俺はなにも…」




ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、橘くんが照れているように見えて、

ただの私の思い込みかもしれないけど嬉しい。

< 57 / 91 >

この作品をシェア

pagetop