橘くん、今日もすきです
今日は夜遅いので、肝試しが終わったら自由解散らしい。
さすがに1人で帰るのは怖いな〜…。
でも、ここまで付き合わせといて橘くんにまた一緒に帰ろうなんて言うのは申し訳ないなぁ〜って悩んでいると。
「先輩?帰らないんですか?」
相変わらず無表情でこちらを向いている橘くん。
それって……一緒に帰ってもいいってこと?だよね?
「か、帰るっ!!」
今日はなんて幸せな日なんだろう。
一緒に肝試しを回るだけじゃなく、一緒に帰るのを誘ってもらえるなんて!
「高校に入ってから一緒に帰るの2回目だねっ」
「…」
こういう話にはあんまり反応してくれないのは元々。
だから黙って歩き出した橘くんの隣を私も歩き出す。
そういう静かな空間も、橘くんとだったらすき。