橘くん、今日もすきです
私敬われるとか慣れてないから困っちゃうなぁ…。
「あのー、」
1年2組の前でどうしようもなく突っ立っていると、ぽんぽんと肩が叩かれた。
「ひゃいっ!」
驚いて変な声でちゃった…。
うぅ…恥ずかしい〜!
「白糸先輩ですよね?」
「…?はい?」
「春希からよく聞いてるんすよ!俺!春希の友達っす!」
橘くんのお友達!
よくみると、たしかに、笑うと見える八重歯とちょっと茶色掛かった髪の毛に見覚えがあった。
「ほんとうに!?!?」
心細かったから、嬉しくなって、ぎゅっと手を握る。
「お名前は!?」
橘くんのお友達なら、橘くんの居場所がわかるかもしれない!そんな希望を胸に目の前の彼を見つめた。