小林君が好きでたまらない

そして自分が可愛いウサギが大好き
なのももはやカツアゲの恐怖で消えていた。


「ごめんね、遅くなって」
キラキラと効果音が鳴るように
小林君の1つ上の3年生の藤堂君が、
ちょっと焦ったようにこちらを見た。

藤堂君はちょっとした有名人で、
生徒会長だったり、成績が毎回3位から
落ちたことがなく、みんなから熱い視線を
送られていた。

真っ白い肌に整った目鼻立ちで
ダサイ自分とは関わりが無い存在だ。

良かった、
何か用事があるのだろう。
だって藤堂君の家はお金持ちで有名だ。
流石の小林君でもカツアゲでないことは
分かる。

「小林君?」
少し首を傾げると、美少年過ぎて自分の
存在が馬鹿らしくなる。
「小林君あのね」
藤堂がこちらを見た。
「小林君は好きな人はいる?」
恋バナだ!
自分とは無縁だ、
何気に嫌がらせがすきなのか?
やっぱりきれいな顔はの人は
性格が悪いのか?
「いえ。好きな人もいません。」
僕に恋バナしないで欲しい。
ぱぁぁと藤堂の頬が紅潮した。
「だったら、、、」

「僕と付き合って欲しいんだ!」

「はぁ」
思わず声に出てしまった。
ウキウキと藤堂が浮かれている。

男子校なので男同士はなんとなく
あるみたいだと唯一の友人のテッチャンと
話したことはある。

だが自分が、しかも藤堂となんて想像
すら出来ない。

しかもはぁがハイになっていたらしく
「嬉しい。放課後一緒に帰ろう」
と本当に嬉しそうに最後に手をギュッと
握って去っていった。

テッチャン助けてくれ。



「へー意外」
「冷静だな!」
「他人事だしな」
コイツは小学校時代から友達
をやってくれる貴重な友人だ。
「なんでだ!
おれなんかした?
教室の片隅でひっそりと
生きてきただけだぞ」
「あの藤堂先輩だぞっ」
「でもあのくらい完璧だと
怖えな」
「取り敢えず報告待っているわ。
面白そうだから。」
テッチャンはそういうと
放課後のアドバイスも言わず
部活の柔道に行ってしまった。


「良かった、ちゃんと待って
いてくれたんだ」
少しはにかみながら教室まで
迎えに来てくれた。

「今日はありがとう。
大切にするね」ニコッ
「はははいっよろしく
お願い致します」
「親睦もかねて、モックでも
いく?色々小林君のこと知りたいな」
(嘘だろ、、あの藤堂先輩が?)

気がついたら、
小林君は楽しげに藤堂と話していた。
藤堂は聞き上手で、普段あまり話さない
小林君の事を上手く話を引き出してくれた。
「じゃあ、弟さんはサッカー部なんだね。
練習大変そう」
「はい、あいつあんまり家にいないし、
いてもあんまり話さない。
「寂しい?」
くすりとやんわり聞いてくる
「、、、少しだけ」
「素直でよろしい」
フッと2人して笑った。
モックの女子高生がチラチラと
藤堂を見ているのはわかったが
スルーした。

一週間後
「オマエ幸せそうだな」
「幸せ!」
「今度の日曜日先輩がDVD観に来るんだ!」
「えっ」
「楽しみ」
(多分コイツは藤堂先輩を襲おうなんて
考えないし、大丈夫だろう)
「・・・報告よろしく」
他人事だと割り切ってテッチャンは
この話をスルーした。
ただ興味もあったので報告は欲しい。
ドライなテッチャンだ。
まさか教室の入り口に、にこやかに笑いながら藤堂が瞳だけ笑わずに2人を見ていたなど、気づきもしなかった。

「先輩いらっしゃい!」
「こんにちは。これお土産」
「わーUPUBAのプリン!
僕が好きなやつ」
「たまたま外出先にあったから。」
「先輩、DVD観よう!!」

「やっぱり面白いなー」
「うん、そうだね」
「他におすすめあるかな、、わっ」
「大量に出てきたDVDに、アダルト
のものがあった。」
「それ、」
とっさに小林君は隠した。
「へー小林君もそんなの観るんだ」
真っ赤になる。
ただでさえそういう話に免疫が無いのだ。
どうやって誤魔化そうと考えているうちに、柔らかく少し乾燥したものが唇に当たった。
キスしてる。
「もうちょい友達ごっこに
付き合うつもりだったけど、もういいや。」
「えっ?」
「ふーん。巨乳に痴漢プレイ。つまんなそう。こんなの観て抜いているんだ。」
ソファーに隣同士に座っていたのに
後ろ髪をガッっと掴まれる。
今度は唇だけじゃ無い。
藤堂の舌が唇の中や周りなど、動き回る。
息すらまともに出来なくて
酸欠になりそうだった。
思わず目をつぶっていたが
目を開けてみると、
キスしながらきれいな顔がジッと
こちらを見ている。
目だけが射抜くような、
いつもの笑顔の柔らかい目ではなく
全てを支配しようとしている目だ。
はぁっ
酸欠になりかけているのに気付いて
いるらしく、一度唇を離してくれた。
思い切り息を吸い込んだらまた
キスされた。
舌が、小林君の全てを支配する。
お前はオレの物だと言わんばかりに
這いずりまわる。

はぁはぁはぁ
「ご、ごめんなさい」
藤堂といた一週間は小林君を縛り付ける
には充分だったらしい。
あんなに充実した日々は
今までなかった。

「DVD今日中に全部捨てといて」
こくりこくりとうなずく。
「あとあの男。」
「てつやとかいうやつ。金輪際、話さないで。」
ふわっと顔が両手に包まれた。
「小林君には、僕がいるから大丈夫だよ」
にっこり笑った。天使のようだった。
この笑顔のためならなんでも出来る。
「分かった?」
コツンと互いのおでこがぶつかった。
「分かった。話さない」
「嬉しい」
天使はにっこり笑った。

「さてと、こっちもなんとかしなくちゃね」
グイッと股間を触られた。
「ひゃあ」
さりげなく手で隠していたつもりだったが
元気になっていたのはバレていたらしい。

「見たい。服全部脱いで」
渋々と脱ぎ出す。
藤堂の言ったことに逆らえた気がしない。
藤堂のめ蘭々に輝いている。

「今まで誰かに見せた事無いよね」
母親と言ったら笑われた。
何となくさっきとは違って上機嫌に見える。
「小林君、ベッド行かない?」
「えっベッド?」
すぐ後ろにあるベッドまで持ち上げられて、びっくりしているうちにベッドの上部と手首を藤堂のネクタイで縛られた。
その細い体でどこにそんな力があると言うのか、
「かわいい」
「小林君かわいい」
逆に小林君は恐怖を感じていた。
「ちょっ、やだ、ほどいて、」
頬にちゅっとすると大丈夫と言った。
「今日は怖い事はしないよ」
うっとりと髪をすいた。
一瞬ピタリと手が止まった。
「、、、なるほどね」
あははと少し笑うとゆっくりとあそこを
握った。
それだけで興奮していけそうだったのに、
パッと手を離した。
興奮が取れてくる。
するとまたゆっくり手を動かす。
手を動かしながらも
小林君の表情をみていて、
藤堂も表情が恍惚としていた。

もどかしくて、本当はいきたいけどいけなくて、

ポロポロと泣いてしまった。
多分ぐちゃぐちゃな顔をしていただろう。
それでも藤堂はかわいいと何度も呟いていた。

「そろそろいく?」
思わず何度も頷いてしまった。
急に手に力が入り激しく擦られた。

「や、やだ、急にイク、やだ、やだ、」
自分でも分からなくなっていた。
「かわいいなぁ」
という声を聞きながら小林君はいった。









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