愛奏~aikanade~
「!!!?」


不意にかけられた声に、かなりビックリして振り返ると、いかにも普通の男子高校生。


「は…はい?………何ですか?」

少し警戒している私に、その人は苦笑いをしながら私に近寄るって

「コレ……あなたの生徒手帳ですよね?」

「えっ?…」


よく見ると、彼の右手が持っていたのは、私の通っている高校の生徒手帳。さっきの人混みで落ちた物だった。


「あ……!!」

何だか急に恥ずかしくなった。

「す、すみません!あ、ありがとうございます。」

私は、半ば強引に生徒手帳を取り、深々と頭を下げた。彼に警戒していた自分が、馬鹿みたいだった。
< 15 / 40 >

この作品をシェア

pagetop