愛奏~aikanade~
次の駅。
ここもまた、かなり混む。私は、流されないよう必死で、てすりに捕まっていた。

しかし、その必死の行動も泡になる。かなりの圧力で、押し流せれる、亜以や弘樹君とも、離れ離れに…

「オイ②大丈夫?」

不意に、人混みに流されていた私の体が、誰かに抱き寄せられていた。

「あら?どっかで見た顔。」

少し真っ白になっていた私の頭は、その声を聞いた瞬間―。
私は、頭を上にあげた。見ると、彼も私を見下ろしていた。

「こんちは。須堂 明日香ちゃん♪」

その時、私の何かが動いた。それが、恋だったのかも知れない。


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