愛奏～aikanade～

「次はぁ～、〇×駅ぃ～、〇×駅ぃ～…」

電車から、駅員さんのやる気があるのか、ないのか分からない、乗車アナウンスが流れる。
9時30分…

予定より、30分も早い待ち合わせ。
少し緊張と、ワクワク感が、交互に出てきている。

電車にゆらゆら揺られつつ、窓から見える景色を見た。
いつも見る景色なのに、なんだか今日は、眩しく見えた。

目的地に到着して、ちょっと早過ぎた自分に、どんだけ爽汰先輩に会いたいんだろう…と自問自答していた。

待ち合わせ場所に着くと、そこには、まだ爽汰先輩の姿はなかった。
確かに、待ち合わせ30分も前に来る人なんて、いるわけない…。私は、そこの建物の柱に、寄り掛かって爽汰先輩を待っていた。