愛奏~aikanade~
先輩…遅いなぁ。

待ち合わせ時間から2時間くらい経ってる。気の遠くなるような時間…。

私のように、大切な人を待っている人が、変わる代わる私の目の前で、変わっていく。

「…どうしたんだろう…。」

具合でも悪いのかな? もしかしたら、用事が出来て、来れなくなったのかな?

不安と悲しさで、だんだん暗くなっていく私。

「かーのじょ♪」

「えっ?」

急に、近くで声がしたから、顔を上げると、知らない男の人が3、4人いた。

「ねぇ、彼女。さっきから、誰待ってんの?」

一人の男が、私に話し掛けてきた。

「………。」

私は、あえて無視して、携帯をいじっていた。すると、もう一人の男が、私に近付いて、全身をなめ回すように、見ながら私に言い寄って来た。

「携帯なんていじってないでよ~♪俺達、純粋にお話したいだけだしぃ~!!」

次第に、しつこくなっていく人達…

「い、いや…」

「いいじゃん♪お兄ちゃん達と、一緒に遊ぼうよ!!」

すると、一人の男の人に腕を掴まれた。

「いや、放し…」

「何やってんだよ!!」

私が、本気で嫌がろうと同時に、私の頭から、低い男の声。私の横顔から、出て来た長い腕は、私の腕を掴んでいる、男の人を掴んでいた。

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