烏兎
埃が主役の部屋で、
私は隅に追いやられていた。
とうとうこの部屋にまで、
社会のやるせなさが侵食してきている。
ストレスに比例して増えていくピアスは
それをさらに加速させている。
日当たり良好とかかれていたこの部屋だが
実際は言葉ばかりで、
夕方になるまで日はほとんど入ってこず
夕方は夕方で西日が眩しくてカーテンを閉めっぱなしにしている。
冷蔵庫には基本何も入っておらず、
机の上には常にプラスチックゴミがある。
勉強や部活などをバリバリにしていた頃は、
フランス映画のきらびやかさに憧れ、
今の生活など夢にもみていなかった。
まだ若いのに。
この年齢故に大人達は都合よく扱いを変えてくる。
もう大人なんだから。まだ子供なんだから。
今そんな頭のこんがらがるような事を言われてしまうと全てが処理出来なくなる。
情報も生活も無駄毛も。
思い焦がれた部屋でも私でもない。
私が誰かも分からなくなりそうな日々。
この先になにがあるのかは、
本当に検討がつかない。
幸せなのかそうでないのかすらも。
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