恋叶うオフィス
最適な距離
寝返りを打つと柔らかい壁があった。ゆっくりと目を開けて、アイボリー色の壁を見て、何度か瞬きする。
ここは、どこだっけ?
横向きの体を仰向けにしながら、寝る前のことを思い出した。
ここは、武藤の家のリビングルームにあるソファーの上だった。
昨夜、バカみたいに床で抱きしめあったが、風邪引きの彼をいつまでも転がしておけないと、私から動いた。
武藤の手を引いて、再びベッドに入れる。しっかりと掛け布団をかけてから、彼の体温を計測した。
転んでドタバタしたのがよくなかったようで、熱が上がった。熱さまシートを貼って、彼の手を握る。
私が帰ると言ったら、寂しそうな顔をしたからだ。
「武藤が眠るまで、ここにいる」
「俺が寝たら、帰るの?」
「うん。明日の朝にまた来るから、それまでおとなしく寝ていて」
「うん……」
彼が眠ったのを見届けてから、帰るつもりだった。だけど、寝顔を見ていたら、私も眠りに誘われてしまい、少し休んでから帰ろうとソファーに体を預けて……気付いたら朝、になっていた。
ここは、どこだっけ?
横向きの体を仰向けにしながら、寝る前のことを思い出した。
ここは、武藤の家のリビングルームにあるソファーの上だった。
昨夜、バカみたいに床で抱きしめあったが、風邪引きの彼をいつまでも転がしておけないと、私から動いた。
武藤の手を引いて、再びベッドに入れる。しっかりと掛け布団をかけてから、彼の体温を計測した。
転んでドタバタしたのがよくなかったようで、熱が上がった。熱さまシートを貼って、彼の手を握る。
私が帰ると言ったら、寂しそうな顔をしたからだ。
「武藤が眠るまで、ここにいる」
「俺が寝たら、帰るの?」
「うん。明日の朝にまた来るから、それまでおとなしく寝ていて」
「うん……」
彼が眠ったのを見届けてから、帰るつもりだった。だけど、寝顔を見ていたら、私も眠りに誘われてしまい、少し休んでから帰ろうとソファーに体を預けて……気付いたら朝、になっていた。