恋叶うオフィス
武藤は軽く頷いて、カバンから箱を取り出して、私に差し出す。受け取りながら、首を傾げた。


「えっ、これなに?」

「誕生日プレゼント」

「でも、もうチョコもらったよ?」

「うん。少し前にさ、弟に指輪選ぶのを付き合ってと言われて、ジュエリーショップに行ったんだ。で、他のも見ていて、渡瀬に似合いそうだなと思って、つい……。ちょうど誕生日だし、いいかなと。友だちでいてくれる感謝の気持ちも込めてなんだけど」


友だちでいてくれる感謝の気持ち……また心がチクッと痛んだ。

武藤は私を友だちとしてしか見ていない。分かってはいるけど、ちょっと切なくなる。

でも、私のために選んでくれたプレゼントはうれしい。


「開けてもいい?」

「うん。着けてみて」

「着けるものなの?」


ジュエリーショップで購入したらしいから、アクセサリーだと想像できるけど、なにかな?

開けるとそこにはネックレスが入ってた。

えっ、いいの? こんなのもらって……。

そのネックレスはシルバーで、トップ部分はドロップ型になっていて中にひと粒のグリーン色の石が埋め込まれていた。
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