恋叶うオフィス
「こんにちは。兄がお世話になっています」
弟と紹介された広海さんが軽く微笑んだ。キリッとした顔立ちの彼は一見クールな感じに見えるが、微笑む顔が柔らかくて武藤に似ていた。
たまに武藤の話に出てくる弟さんだ……。確か両親が離婚して、弟は父親に引き取られたから別に暮らしていると言っていた。
……と、それよりも! 武藤の彼女だと思っていた人は、弟さんの婚約者?
突然の対面に呆然とした私は、慌てて挨拶を返す。
「あ、いえ! 私の方がいつもお世話になっていて……」
「渡瀬よりも俺の方が世話になってるよ」
「えっ、そんなことない、ない。いつも武藤に助けられているし、優しくしてもらっているのは私の方だよ」
「いつも言っているけど、優しいのは渡瀬の方だからね」
そっちの方が、こっちの方がとお互い譲らない私と武藤のやり取りに、紗世さんが笑いだした。
「紗世、いきなり笑うのは失礼だよ」
「だって、広海くんもおかしいと思ったでしょ? 」
「そうだけど。……なんか感情的になる兄さんを見るのは久しぶりだな。ふたりは付き合っていないような感じに紹介してたけど、付き合ってないの?」
弟と紹介された広海さんが軽く微笑んだ。キリッとした顔立ちの彼は一見クールな感じに見えるが、微笑む顔が柔らかくて武藤に似ていた。
たまに武藤の話に出てくる弟さんだ……。確か両親が離婚して、弟は父親に引き取られたから別に暮らしていると言っていた。
……と、それよりも! 武藤の彼女だと思っていた人は、弟さんの婚約者?
突然の対面に呆然とした私は、慌てて挨拶を返す。
「あ、いえ! 私の方がいつもお世話になっていて……」
「渡瀬よりも俺の方が世話になってるよ」
「えっ、そんなことない、ない。いつも武藤に助けられているし、優しくしてもらっているのは私の方だよ」
「いつも言っているけど、優しいのは渡瀬の方だからね」
そっちの方が、こっちの方がとお互い譲らない私と武藤のやり取りに、紗世さんが笑いだした。
「紗世、いきなり笑うのは失礼だよ」
「だって、広海くんもおかしいと思ったでしょ? 」
「そうだけど。……なんか感情的になる兄さんを見るのは久しぶりだな。ふたりは付き合っていないような感じに紹介してたけど、付き合ってないの?」