恋叶うオフィス
私の首もとを指差して、大きな声で聞くから周囲にいた人たちが私に近付いてきた。みんな見たいのはネックレスだ、
それと聞きたいのは、百々子ちゃん同様誰からもらったかということ。
「わあ、エメラルドじゃない? すごい!」
「渡瀬さん、彼氏いましたっけ?」
「素敵なプレゼントですね」
エメラルドです。
彼氏はいません。
素敵過ぎて困っています……。
答えられる範囲で答える。誰からとは答えられない。
武藤は内緒にしてと言わなかったけれど、私は内緒にしたい。モテる武藤からもらったのだと武藤を慕う女性社員に知られたら、どうなるかと考えただけでも恐ろしい。
しかし、誰からと言わないから、みんなが自分のデスクに戻らない。
「渡瀬さん、誰からもらったんですか?」
しびれを切らした百々子ちゃんが再度問う。
「友だちからもらったの。20代最後だからって、いつもよりちょっといいものをくれたのよ」
「友だちって、男ですか? 女ですか?」
百々子ちゃん……なかなか鋭い質問です。嘘をつくのは嫌いなので、正直に答えた。
「男です」
それと聞きたいのは、百々子ちゃん同様誰からもらったかということ。
「わあ、エメラルドじゃない? すごい!」
「渡瀬さん、彼氏いましたっけ?」
「素敵なプレゼントですね」
エメラルドです。
彼氏はいません。
素敵過ぎて困っています……。
答えられる範囲で答える。誰からとは答えられない。
武藤は内緒にしてと言わなかったけれど、私は内緒にしたい。モテる武藤からもらったのだと武藤を慕う女性社員に知られたら、どうなるかと考えただけでも恐ろしい。
しかし、誰からと言わないから、みんなが自分のデスクに戻らない。
「渡瀬さん、誰からもらったんですか?」
しびれを切らした百々子ちゃんが再度問う。
「友だちからもらったの。20代最後だからって、いつもよりちょっといいものをくれたのよ」
「友だちって、男ですか? 女ですか?」
百々子ちゃん……なかなか鋭い質問です。嘘をつくのは嫌いなので、正直に答えた。
「男です」