恋叶うオフィス
カップを両手で持った状態で、顔を廊下に出すと私に気付いた武藤が片手をあげる。
武藤に声を掛けていた人物……私と同じ課の二才年下である桑田(くわた)くんも武藤の動きを追ってこちらを振り返った。
「武藤、お疲れ様ー。コーヒー飲むならついでに淹れるけど?」
「あー、いいや。すぐに出るから」
「そっか、忙しいね」
「うん、まあな。あ、渡瀬、それ……」
ふたりに近付くと、武藤が私の胸元に手を伸ばす。多分ネックレスに触れそうとしたのだろうけど、桑田くんの声によって寸前のところで動きが止まった。
「おっ、やっぱ気付きますよね。そのネックレス、男友だちからもらったみたいですけど、意味深ですよね」
武藤の言葉に被せてきた桑田くんの発言に、私はギョッとした。何を言い出すの……。
武藤はキョトンとし、私から桑田くんへと視線を移動させる。伸ばしていた手を元の位置に戻して、首を傾げた。
「意味深?」
「そうですよ。男が女にネックレスを贈るのには深い意味があるじゃないですか?」
「へー、どんな?」
深い意味など考えずに贈った武藤はその意味を知りたがった。
武藤に声を掛けていた人物……私と同じ課の二才年下である桑田(くわた)くんも武藤の動きを追ってこちらを振り返った。
「武藤、お疲れ様ー。コーヒー飲むならついでに淹れるけど?」
「あー、いいや。すぐに出るから」
「そっか、忙しいね」
「うん、まあな。あ、渡瀬、それ……」
ふたりに近付くと、武藤が私の胸元に手を伸ばす。多分ネックレスに触れそうとしたのだろうけど、桑田くんの声によって寸前のところで動きが止まった。
「おっ、やっぱ気付きますよね。そのネックレス、男友だちからもらったみたいですけど、意味深ですよね」
武藤の言葉に被せてきた桑田くんの発言に、私はギョッとした。何を言い出すの……。
武藤はキョトンとし、私から桑田くんへと視線を移動させる。伸ばしていた手を元の位置に戻して、首を傾げた。
「意味深?」
「そうですよ。男が女にネックレスを贈るのには深い意味があるじゃないですか?」
「へー、どんな?」
深い意味など考えずに贈った武藤はその意味を知りたがった。