恋叶うオフィス
課長になったのだから『武藤課長』と呼ぼうとしたけど、『武藤』のままでいいと言われて、いまだに『武藤』と呼んでいる。
でも、それよりも『直海』と呼びたい。それは、私の密かな願望だ。武藤の特別になりたいという願望も兼ねている。
私は武藤に三年片想いしている。この想いを伝える勇気はない。なぜなら、武藤は私を気の合う同期、仕事仲間、気軽に話せる友だちとして見ているからだ。
私たちが付き合っていると誤解をしている人に何度かそれらの言葉を使って、否定するのを聞いた。
「あー、渡瀬はただの同期。気が合うから仲良くしてはいるけどね」
「渡瀬と俺? 付き合っていないよ。何でも気軽に話せる友だちなだけ」
「仕事仲間として、渡瀬は信頼している」
表向きの私は武藤の言葉に同意したけれど、内心は複雑だった。
武藤が私に対してそういう扱いをするから、武藤を狙う女性社員からなぜか慕われる羽目に至っている。
「渡瀬さーん。武藤課長の好きなスイーツを知っていたら教えてくださいよー」
「えっと、シュークリームだったかな」
「ありがとうございます! 今度作ります!」
でも、それよりも『直海』と呼びたい。それは、私の密かな願望だ。武藤の特別になりたいという願望も兼ねている。
私は武藤に三年片想いしている。この想いを伝える勇気はない。なぜなら、武藤は私を気の合う同期、仕事仲間、気軽に話せる友だちとして見ているからだ。
私たちが付き合っていると誤解をしている人に何度かそれらの言葉を使って、否定するのを聞いた。
「あー、渡瀬はただの同期。気が合うから仲良くしてはいるけどね」
「渡瀬と俺? 付き合っていないよ。何でも気軽に話せる友だちなだけ」
「仕事仲間として、渡瀬は信頼している」
表向きの私は武藤の言葉に同意したけれど、内心は複雑だった。
武藤が私に対してそういう扱いをするから、武藤を狙う女性社員からなぜか慕われる羽目に至っている。
「渡瀬さーん。武藤課長の好きなスイーツを知っていたら教えてくださいよー」
「えっと、シュークリームだったかな」
「ありがとうございます! 今度作ります!」