恋叶うオフィス
里香は二年前に一度だけ武藤と会っている。私とオープンしたばかりのショッピングモールで買い物をしていた時だった。
そのときの武藤はエリアマネージャーとして、新店舗の監督のために来ていた。ちょうど休憩中だった武藤に偶然会って、カフェに三人で入った。
里香には同期の人を好きになったと話してはいたが、名前までは教えていなかった。しかし、すぐにばれた。武藤が休憩を終えて店舗に戻っていくと『あの人が柚希の好きな人ね』と当てられてしまった。
私の武藤に対する態度で分かったらしく、そんなにも分かりやすいのなら武藤にもばれているのかと不安になったものだ。
それから、里香はさらに鋭く言った。『全然気付いている感じはなかった。それに向こうからは恋愛感情が持たれてないように見えた』と。
そんなふうに鋭い里香だから、今も容赦なく言う。
「柚希だって期待したでしょ? ネックレスをくれる意味を考えたよね?」
「まあね。もしかしてと自惚れたけど、完全なる自惚れだった。ハッキリと深い意味はないと言われたら、そう思うしかないじゃない」
そのときの武藤はエリアマネージャーとして、新店舗の監督のために来ていた。ちょうど休憩中だった武藤に偶然会って、カフェに三人で入った。
里香には同期の人を好きになったと話してはいたが、名前までは教えていなかった。しかし、すぐにばれた。武藤が休憩を終えて店舗に戻っていくと『あの人が柚希の好きな人ね』と当てられてしまった。
私の武藤に対する態度で分かったらしく、そんなにも分かりやすいのなら武藤にもばれているのかと不安になったものだ。
それから、里香はさらに鋭く言った。『全然気付いている感じはなかった。それに向こうからは恋愛感情が持たれてないように見えた』と。
そんなふうに鋭い里香だから、今も容赦なく言う。
「柚希だって期待したでしょ? ネックレスをくれる意味を考えたよね?」
「まあね。もしかしてと自惚れたけど、完全なる自惚れだった。ハッキリと深い意味はないと言われたら、そう思うしかないじゃない」