恋叶うオフィス
「おはようございます」

「百々子ちゃん、おはよう」

「遅刻になるかと焦りましたよ。いきなり電車が止まったんですよ」

「そうなの？ それで、ギリギリで来てる人が多いのね」


額に汗を滲ませた百々子ちゃんが始業時間数分前に出勤してした。

百々子ちゃんも普段もは私よりも少し早めに来ていたから、遅いなと思っていた。同じ電車に突然具合が悪くなった人がいて、その人を救護するために20分ほど停止したそうだ。

確か武藤も百々子ちゃんと同じ路線を利用していたはずと武藤のデスクに目を向けると、彼も今到着したばかりだった。

もしかして休みなのかもと考えたので、小さな決心が無駄にならなくて良かった。あとで、聞こう。

しかし、なかなか話す機会が得られず、昼休みになる。

時間になり、みんなが席を離れていく中、武藤はまだパソコンに向き合っていた。

そっと彼の前まで行き、声をかける。


「武藤、お昼どうするの？」

「ん？ ああ、ラーメン食べたい気分だな」

「あ、私も同じこと思ってた。一緒に行かない？」

「おう、行くか」


ラーメンと聞いて、突然食べなくなったのは内緒。
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