恋叶うオフィス
視線を逸らした私を不審に感じたようで、武藤が珍しく戸惑いの声を出す。
「ううん、なんでもない。あ、そうだ。武藤に聞きたいことがあるの」
「なに?」
「今月武藤の誕生日じゃない? これのお返しにプレゼントあげたいんだけど、なにか欲しいものある?」
これと胸元のネックレスに手を触れて聞く。武藤の目の動きがネックレスで一瞬止まった。
「あー、お返しとか考えなくてもいいのに。それは俺があげたくて、あげたわけだし」
「でも、私も武藤をお祝いしたいから」
「その気持ちだけで充分だけど……あ、それならムーンパークのレストランに一緒に行ってよ」
「へっ? ムーンパーク? どうして?」
思いがけないお願いに間抜けな返しをした。ムーンパークとはラグジュアリーホテルである。そこのホテルとうちの会社は取引があるけれど、なぜそこを指定してきたのか謎だった。
「一昨日、ムーンパークに行ったんだよ。で、半額券をもらったんだ。えっと、これだけど」
武藤は財布から一枚の紙を出した。特別利用券と書いてあるその紙を私は手に持って、表も裏もしっかりと見た。
「ううん、なんでもない。あ、そうだ。武藤に聞きたいことがあるの」
「なに?」
「今月武藤の誕生日じゃない? これのお返しにプレゼントあげたいんだけど、なにか欲しいものある?」
これと胸元のネックレスに手を触れて聞く。武藤の目の動きがネックレスで一瞬止まった。
「あー、お返しとか考えなくてもいいのに。それは俺があげたくて、あげたわけだし」
「でも、私も武藤をお祝いしたいから」
「その気持ちだけで充分だけど……あ、それならムーンパークのレストランに一緒に行ってよ」
「へっ? ムーンパーク? どうして?」
思いがけないお願いに間抜けな返しをした。ムーンパークとはラグジュアリーホテルである。そこのホテルとうちの会社は取引があるけれど、なぜそこを指定してきたのか謎だった。
「一昨日、ムーンパークに行ったんだよ。で、半額券をもらったんだ。えっと、これだけど」
武藤は財布から一枚の紙を出した。特別利用券と書いてあるその紙を私は手に持って、表も裏もしっかりと見た。