恋叶うオフィス
ドキドキする距離
武藤から漂う新しい香りにすっかり慣れてきた頃、気象庁は関東地方の梅雨明け宣言をした。
夜になっても暑くて、私はオフィスで着ていた七分袖のカーディガンを手に持って、駅の壁に貼られている1枚のポスターを眺めていた。
「渡瀬? こんなところで何してるの?」
「あ、武藤。お疲れ様。まさかこれから戻るの?」
突然現れた武藤は、不思議そうに私を見てきた。私からしたら、武藤がいるのが不思議だけれど。
現在の時刻は20時を過ぎたところ。私は百々子ちゃんに相談があると言われて、オフィス近くのアジアンレストランで食事をした帰りだった。
百々子ちゃんには同棲している彼氏がいて、その彼氏とうまくいっていないというので、話を聞いたのだが……途中からのろけ話になり、なんの相談だったのかと首を傾げてしまった。
結局話を聞いただけで、アドバイスは求められずで、百々子ちゃんは清々しい顔で『仲直りします』と帰って行った。
話しているうちに彼氏が恋しくなったらしい。話すことでスッキリしたのなら、それはそれでいいけど、私としては拍子抜けした感じだ。
夜になっても暑くて、私はオフィスで着ていた七分袖のカーディガンを手に持って、駅の壁に貼られている1枚のポスターを眺めていた。
「渡瀬? こんなところで何してるの?」
「あ、武藤。お疲れ様。まさかこれから戻るの?」
突然現れた武藤は、不思議そうに私を見てきた。私からしたら、武藤がいるのが不思議だけれど。
現在の時刻は20時を過ぎたところ。私は百々子ちゃんに相談があると言われて、オフィス近くのアジアンレストランで食事をした帰りだった。
百々子ちゃんには同棲している彼氏がいて、その彼氏とうまくいっていないというので、話を聞いたのだが……途中からのろけ話になり、なんの相談だったのかと首を傾げてしまった。
結局話を聞いただけで、アドバイスは求められずで、百々子ちゃんは清々しい顔で『仲直りします』と帰って行った。
話しているうちに彼氏が恋しくなったらしい。話すことでスッキリしたのなら、それはそれでいいけど、私としては拍子抜けした感じだ。