恋叶うオフィス
私が武藤の誕生日を覚えているのは覚えやすいからではなく、好きだからだけれど。
もらったチョコを早々とひと粒、口に放り込む。うん、美味しい。毎朝ひと粒、これを食べて1日がんばろう。
残りを引き出しにしまって、隣の課にいる武藤をチラッと見る。営業部は仕切りなしのワンフロアになっているので、課が違っても横を向けばいつでも好きな人が見られる。
近すぎず、ほどよく見える距離。ここから武藤を見るのが私の密かな楽しみとなっている。
昼休みになる10分前、武藤に肩を叩かれた。顔を耳元に寄せてくるから、ドキッと心臓が跳ねる。
「先に行ってるから」
「あ、うん……。了解」
武藤はランチ後、そのまま出掛けるようでビジネスカバンを手にしていた。
私は昼休みになった瞬間、ミニバックを持って誰よりも早くフロアを出て、タイミングよく降りてきたエレベーターに乗る。
武藤が指定したレストランは最寄り駅に隣接している商業ビルの最上階にあった。なにかと忙しい武藤を待たせたくないと早歩きで行った。
「いらっしゃいませ」と柔らかく微笑む女性スタッフに待ち合わせしていることを告げるとすぐ案内してくれた。
もらったチョコを早々とひと粒、口に放り込む。うん、美味しい。毎朝ひと粒、これを食べて1日がんばろう。
残りを引き出しにしまって、隣の課にいる武藤をチラッと見る。営業部は仕切りなしのワンフロアになっているので、課が違っても横を向けばいつでも好きな人が見られる。
近すぎず、ほどよく見える距離。ここから武藤を見るのが私の密かな楽しみとなっている。
昼休みになる10分前、武藤に肩を叩かれた。顔を耳元に寄せてくるから、ドキッと心臓が跳ねる。
「先に行ってるから」
「あ、うん……。了解」
武藤はランチ後、そのまま出掛けるようでビジネスカバンを手にしていた。
私は昼休みになった瞬間、ミニバックを持って誰よりも早くフロアを出て、タイミングよく降りてきたエレベーターに乗る。
武藤が指定したレストランは最寄り駅に隣接している商業ビルの最上階にあった。なにかと忙しい武藤を待たせたくないと早歩きで行った。
「いらっしゃいませ」と柔らかく微笑む女性スタッフに待ち合わせしていることを告げるとすぐ案内してくれた。