恋叶うオフィス
と、思っているとスマホにメッセージが届く。


『明日、よろしく』

短いメッセージだけど、しぼんでしまった心がまた膨らむ。また明日のことを考えて、ワクワクできる。

今日のことは気にしない、気にしない。明日のことだけ考えよう。なにを用意して、なにを作ろう。


武藤の初めての訪問に、胸を膨らませながら、花火大会の日を迎える。


「ありがとう。明日返しに来るね」

「使う予定ないから、いつでもいいからね。それよりもがんばりなさいよ。転んだふりして、押し倒すくらいしてみたら?」

「冗談言わないで。引かれたら、立ち直れなくなる」

「柚希にそこまで出来ないか。家に誘っただけでもすごいものね。まあ、楽しんで」


里香から借りた卓上のたこ焼き器を持って、私は微妙な顔で笑った。応援してくれる里香には申し訳ないけど、武藤が私の部屋に来てくれるというだけで、充分満足している。

とにかくいつものように、楽しく話をしながら、花火を見れるだけでいい。

たこ焼きの準備が出来た頃、武藤が来た。


「いらっしゃい。どうぞ、あがってー」

「うん、おじゃまします。これビールだけど、冷蔵庫に入る?」
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