恋叶うオフィス
至近距離で視線が交わる。近い……。
武藤が顔を少し傾けて、近付いてくる。近くなる武藤を直視出来なくなり、思わず目を閉じた。
その瞬間、唇に柔らかくてあたたかいものが触れる。それが、武藤の唇だと認識するまで時間はかからなかった。
えっ……キス?
唇が重なったのは、五秒くらいの時間だった。長くはないけど、短くもないと思う。
離れた武藤はいきなり立ち上がった。私も立ち上がって、彼を見る。武藤の顔は薄暗い中でも赤くなっているのが分かった。
その顔を見て、私の顔も熱を帯びる。赤くなるなんて……武藤の反応が意外すぎる。
……って、いうよりも! 今キスしたよね? どうして……。
赤い横顔に話しかけた。
「武藤、今……」
「渡瀬、ごめん!」
「えっ……」
思いもよらない謝罪に、呆然とする。何に対しての謝罪なの?
武藤はどことなく焦っているようで、目を落ち着きなく揺らしていた。
「俺、酔っているのかも……」
「武藤でも酔うことあるの?」
「なんだよ、それ。俺だって……酔うことくらい……。あー、でも! 酔っているからは最低な言い訳だよな」
武藤が顔を少し傾けて、近付いてくる。近くなる武藤を直視出来なくなり、思わず目を閉じた。
その瞬間、唇に柔らかくてあたたかいものが触れる。それが、武藤の唇だと認識するまで時間はかからなかった。
えっ……キス?
唇が重なったのは、五秒くらいの時間だった。長くはないけど、短くもないと思う。
離れた武藤はいきなり立ち上がった。私も立ち上がって、彼を見る。武藤の顔は薄暗い中でも赤くなっているのが分かった。
その顔を見て、私の顔も熱を帯びる。赤くなるなんて……武藤の反応が意外すぎる。
……って、いうよりも! 今キスしたよね? どうして……。
赤い横顔に話しかけた。
「武藤、今……」
「渡瀬、ごめん!」
「えっ……」
思いもよらない謝罪に、呆然とする。何に対しての謝罪なの?
武藤はどことなく焦っているようで、目を落ち着きなく揺らしていた。
「俺、酔っているのかも……」
「武藤でも酔うことあるの?」
「なんだよ、それ。俺だって……酔うことくらい……。あー、でも! 酔っているからは最低な言い訳だよな」