恋叶うオフィス
武藤の他にもうひとり遅れてくる人がいたけど、ふたりを待つことなく時間になったので、乾杯をした。適当に近くにいる人たちと飲み食いしながら、近況報告を楽しむ会だ。
「渡瀬ちゃんのネックレス、きれい。よく似合ってるね。彼氏からのプレゼント?」
「えっ? 渡瀬、彼氏出来たのか?」
私と宇野くんの前に座るふたりがネックレスについて、聞いてきた。このネックレスは本当に目立つ……。もらってからまだ三か月しか経っていないのに、その間何度「きれい」や「素敵」と言われただろう。
また同じ質問かと小さく笑って、いつもと変わらない答えを言う。
「ありがとう。残念ながら、彼氏は出来ていません」
「それ、武藤からだろ?」
「えっ、武藤くんから?」
私の答えのあとにいらぬ補足を宇野くんがした。余計なことを言った宇野くんを軽く睨むが、しれっとした顔で「そうそう」と確実なものにする。
宇野くんに口止めしておけばよかったと今さら後悔しても遅い。
前のふたりが目を輝かせている。
「武藤からか、そうか、とうとうだね」
「でも、渡瀬ちゃんは今彼氏いないって言ってたよね?」
「渡瀬ちゃんのネックレス、きれい。よく似合ってるね。彼氏からのプレゼント?」
「えっ? 渡瀬、彼氏出来たのか?」
私と宇野くんの前に座るふたりがネックレスについて、聞いてきた。このネックレスは本当に目立つ……。もらってからまだ三か月しか経っていないのに、その間何度「きれい」や「素敵」と言われただろう。
また同じ質問かと小さく笑って、いつもと変わらない答えを言う。
「ありがとう。残念ながら、彼氏は出来ていません」
「それ、武藤からだろ?」
「えっ、武藤くんから?」
私の答えのあとにいらぬ補足を宇野くんがした。余計なことを言った宇野くんを軽く睨むが、しれっとした顔で「そうそう」と確実なものにする。
宇野くんに口止めしておけばよかったと今さら後悔しても遅い。
前のふたりが目を輝かせている。
「武藤からか、そうか、とうとうだね」
「でも、渡瀬ちゃんは今彼氏いないって言ってたよね?」