恋叶うオフィス
当然といった感じの答えに、その場の空気が一瞬固まった。


「あ、うん、よく似合っているけど、似合うからって、簡単にあげるものなの? ねえ、宇野くん……」


なぜか今度は宇野くんに問いかける。


「なんで俺に聞くんだよ。俺は、そういうの特別に想う人にしかあげないよ」

「そう! そうだよね! やっぱ特別な人にあげるものだよね。ねえ、渡瀬ちゃん!」

「えっ?」


今度は私?

私のネックレスについての話だけど、私はもらっただけだし……。動揺で食べようと口に運んでいたポテトが落ちた。

「あーあ」と宇野くんが拾ってくれる。


「えっと、ほら、私たちはみんなも言うようにさ、特に仲が良いからね。で、仲良くしてくれてありがとうという感謝の意味もあるのよ。ね、そうだよね?」


もらったときに言われた言葉を思い出して、武藤に確認する。ここで私たちは今夜初めて目を合わせた。

武藤は満足げに「そうそう」と笑う。


「何がそうそうだよ。仲良くしてくれて、ありがとう? なにだよ、それ」

「宇野、突っかかるのやめて……。あ、坂本ー」
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