交換日記

彼女!

第四章

　私はさっそく体育館へと向かっていく。

体育館に行く途中、数人の人とすれ違ったが、渡辺くんの姿はなかった。

少し不安になりながらも、そおっと体育館のドアをあける。

ギィーと音をたてて開けると広いバスケットコートが目に入った。

2面あるコート。

手前が男子バスケット。

奥が女子バスケット部だ。

私は邪魔にならないように中に入ると、コートの端を通っていく。

歩いてると突然、男子バスケットの数人の塊が目に飛び込んできた。

ボールを勢いよく追いかけてくるみんなが見えたと思ったその時はもう私の近くまで来ていた。

猛然と突っ込んでくる。

ボールを奪う人、ドリブルで逃げる人。

ボールを自由自在に操る姿だった。

ボンボンボンと音がする。

ボールは空中を舞いゴールの網にめがけて飛んでいた。

凄い!

ー　凄い迫力だわー。

私は少し逃げるようにコートから離れた。

またゴンという音がして振り向くと、

「ナイスシュート!!」

という声が響く。

私も思わず　゛ナイス　゛と言ってしまう。

男子の方を見ると渡辺くんがいた。

いたんだ渡辺くん…。

コートの端で見ていた渡辺くんと目があった気がした。

彼はニコニコと笑っている。

やっぱり来てたんだ…。

私はまんざらでもなかった。