あなたに恋をする〜happiness〜
ーポツ

「雨?」

雨が降ってきた。
どうしよう傘なんて持ってないよ!
それにウィッグが………!!
変装してるのがバレちゃう!
変装って言うのかな?
まあ、いいや。

「羽山君、とにかく学校戻ろ!」

「僕ん家がこの近くなのでそこでいいですか?」

「え、うん………いいけど。歩ける?」

「はい、大丈夫です。………小鳥遊君も早くしないと風邪引きますよ」

「………あぁ」

「………」

羽山君は優しいな。
創ちゃんにあんなことされたのに優しくするなんて………。
きっと羽山君のいいところなんだろうな。

「創ちゃん、早く準備しなよ!私たち風邪ひくんだけど!」

私は羽山君が許すなら許そうと思ったんだ。
だから私は創ちゃんに笑って言った。
まだ謝っていないのに許そうとする羽山君を見習って。
すると創ちゃんはちょっと迷っていたがすぐに答えた。

「わかったよ………」

そして創ちゃんは羽山君をおんぶして昇降口まで連れていった。

「ここで待ってるね!」

「ああ………」

創ちゃんは部室に荷物を取りに行った。
羽山君はちょっとぐったりしている。

「大丈夫、羽山君?鞄、ここに置いとくね」

そう言って置こうと思ったら鞄を落としてしまった。
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