あなたに恋をする〜happiness〜
なんと開いていた。
泥棒とか入ったらどうするの!
私だったからよかったけど………。

「失礼しまーす」

私はそっと入った。

「羽山君………いる………?」

玄関に靴が一足あった。
たぶんこれ羽山君のだ………。
一足ってことだから両親は出掛けてるのかな?

「羽山君、お見舞いにきたよー」

私は小声で言った。
なんか今の私って………。

「不審者みたい?」

なぜだかそう思った。
いや、違う
違うと思いたい。

「………っ」

「羽山君?」

どこからか彼の荒い息づかいが聞こえた。
私は羽山君の息づかいを聞いて居場所を突き止めた。
そしてやっと見つかった。

「………羽山君!大丈夫?」

羽山君は台所で倒れていた。
手にはタオルがあった?

「あっつ!」

おでこをさわったらものすごく熱かった。
………タオルを変えようとしたのかな?
お母さんたちはどうしていないの?
仕事で出掛けてるから?
だからってこんな時に息子を放っておくの?

「大丈夫だよ、羽山君。私があなたのそばにいるからね」

ならば私だけは君のそばを離れないよ。
君を笑顔にするために………。

「あれ、花宮さん?今………なにか、いい、ましたか?」
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