あなたに恋をする〜happiness〜
途切れ途切れにいう羽山君。
私は言ってしまった。
さっきのことを。

「大丈夫だよ、羽山君。私はあなたのそばにいるからね。だから………心配しないで。あなたは一人じゃない」

「………っ!!」

私は泣いていた。
目から溢れるもの。
そして羽山君は泣きそうな顔になった。
でもこらえていた。

「大丈夫だよ。辛いときは泣いていいんだよ?私の前だけは弱くていい。本当の羽山君を見せて?辛くてしょうがないって………諦めてるんでしょ?」

風邪をひいているのに放っておく両親。
ビリビリに破かれた教科書。
いろんなものをみて感じた。
羽山君は何を諦めて、何に苦しんでいるの?
どうしていつも泣きそうな顔をしているの?
私はそれがしりたいの。
君に………恩返しがしたいから。

「羽山君。私は………いつでも話を聞くからね」

「ありがとございます、花宮恋さん」

そうして羽山君は寝た。
安心したのかな?
笑って私に言った。
初めてちゃんと私の目を見て言ってくれた。

「………こちらこそ………、ありがと」

私は羽山君をなんとかベッドまで運んだ。
そしておでこには冷やしたタオルをおいた。
机の上には買ってきたものを置いておいた。
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