あなたに恋をする〜happiness〜
「………バレないようにだよ」

「なんでバレちゃいけないんですか?」

「それは」

私もわからない。
アイドルだったから?
それとも何かあるのかな?
だって私は………アイドルをやめた記憶がない。
そして理由も知らない………。

「えっと………」

私が必死で考えているなか、羽山君は次の質問にうつった。

「そして転校してきた時から気になっていたんですが………。その傷はどうしたんですか?」

傷?
私に傷なんてあったかな?
私は自分の体をみた。
足や手。
とにかく自分がみれるところは。
そして見つけたんだ。
肩にあった。

「………これは」

私も今気がついた。
でも羽山君がこの傷があるってわかってることはクラスの皆もなのかな?
私が通ってる学校の制服は今は夏服。
涼しい感じのなんだ。
だからバレてしまうんだ………。

「どうしたんですか、その傷………」

羽山君は心配そうにまゆねを下げた。
悲しそうだった。
私はなんて答えていいのかわからない。
だって………こんなところに傷があったなんて………知らないし、アイドルをやめた理由も知らないんだもん。
私はどう答えていいのかわからなかった。
嘘つくのはなぜだか悪い気がした。
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