あなたに恋をする〜happiness〜
第2章 サヨナラ、恋
真実
創ちゃんは全てを話した。
だけど………羽山君のことだけだった。
お母さんのこと。
私がアイドルをやめた理由は話さなかった。
知らない。
その一言だけだった。
「そうなんだ………。ありがと、創ちゃん」
私は創ちゃんの震える肩を抱き締めた。
優しく………そっと………。
「羽山君………に、謝ろ?」
強く抱き締めたら壊れてしまいそう………。
今の創ちゃんはもろい。
傷ついている。
だから救いたい。
創ちゃんに救ってもらった分を。
今度は私が創ちゃんに返したい。
「私は創ちゃんに恩返ししたい!だから………なんでも言ってよ!謝りに行くのが怖いんだったら私もついていくから………!」
だからとにかく………羽山君をいじめていたことを謝ってほしいの。
そうすれば私は………前へと進める。
羽山君を救える。
そして………創ちゃんも。
「それなら………」
「………?」
創ちゃんは口を開いて言った。
だけど私はその言葉を聞きたくなかった。
だって………。
「え………?」
「俺と付き合ってよ、恋」
創ちゃんがそう言ったから。
私と創ちゃんが付き合う?
どうして?
私は羽山君のことが好きなのに………。
なんで創ちゃんと………。