あなたに恋をする〜happiness〜
でも………それはすぐに終わった。
彼女は小鳥遊君の幼なじみらしい。
だったら彼女も僕のことをいじめるに違いない。
きっとそうだ。
皆………誰も助けてくれない。
僕が泣いても、泣かなくても。
小鳥遊君を敵にまわすのが怖いからなんだ。

『もし時間があったら構内を案内してくれないかな?』

『ありがと、羽山君!!』

『サッカーの試合って何日にやるかわかる?』

『うん、一緒に行こ!』

彼女は毎日僕に話しかけてきた。
そして笑って優しくていつも言う。
花宮さんが転校してきていじめはあまりない。
きっと小鳥遊君は花宮さんのことが好きなんだ。
だからバレたら嫌なんだ。

『羽山君、大丈夫?』

『羽山君!!』

『羽山君、私ねアイドルなんだ』

いろんな彼女を知った。
だんだん惹かれていく。
小鳥遊君が花宮さんを好きな気持ちがわかるよ。
花宮さんは明るくて可愛い。
元アイドルということには驚いた。
だけどどっちも花宮さんだ。

『羽山君………ありがと………』

彼女には言っておきたかった。
僕が小鳥遊君にいじめられていること。
助けてもらえるかもしれない。
だから言った。

『僕………小鳥遊君にいじめられてるんです』
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