あなたに恋をする〜happiness〜
「………っ!恋!」

誰かが私の名前を読んでいる。
誰………?
お母さん?
ううん、違う。
だってお母さんはこんなに………強い声じゃない。
そんなに低くない。
それなら………誰なの?
私は無意識にその声がする方に手を伸ばしていた。
すると誰かが私のその手を強くつかんだ。

「恋っ!!」

「………創………ちゃ、ん?」

目を開けるとそこには、創ちゃんがいた。
泣いているの?
目から溢れているもの。
それは涙だよね?

「よか………った。目を覚ましてくれて………」

創ちゃんはホッとしている。
でも私にはなせだかわからない。
創ちゃん………一体どうしたの?
私はふっと、あることに気づいた。
ここ………私の部屋だ。
私はベッドの上にいた。
でも目を覚ます前はリビングにいたのに………。

「恋………急に寝ると思ったら途中で苦しんでたから………っ、怖くなって………」

「………」

寝てたんだ。
いつの間にか。
最初はお母さんのことを思い出していただけだった。
それでいつの間にか………眠ってしまったんだ。
でも私は夢の中で苦しんでいたかな?
もしかしてあのときかな?
………お母さんが亡くなった日のこと。

「心配かけてごめんね、創ちゃん」

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