あなたに恋をする〜happiness〜
お母さん
私はアイドルが好きだった。
だからなれたときは嬉しかった。
お母さんも………お父さんも喜んでくれていた。
なのになんで私は………。
アイドルをやめてしまったんだろう。
やっぱり………はやく思い出したい。
だって………アイドルになりたかった私がアイドルをやめるわけがない。
それに………やめたのにやりたいって思ったわけ。
そして、いざ………アイドルに戻ったら違和感しかないこと。
皆はたぶん変わっていない。
だけどうっすらと感じる違和感。
なんて言っていいのかわからないけど。
………前より居心地が悪い。
そして、私の記憶にあるものと何かが違う。
メンバーの違和感。
「………っ!」
わからない。
どうして何も残っていないのか。
どうして思い出せないのか。
わからなかった。
「花宮さん!」
「………羽山君!」
私が一人であれこれと考えていた時だった。
羽山君が勢いよくバンッと扉を開けた。
それで保健室の先生がスッゴいにらんでいた。
たぶん………保健室ではお静かにってことだよね。
私は羽山君の方を向いた。
そして言わなきゃいけないことがある。
「羽山君、助けてくれてありがとう!羽山君は私のヒーローだよ!!」