あなたに恋をする〜happiness〜
私は慌てて羽山君に言った。
すると羽山君は私の方を見て………。

「ありがとうございます!!」

って泣きながら言われた。
どんだけ言いたくなかったの!?
なんて思ってしまう。
でもそんなに創ちゃんが言いたくないことってなんだろう?
私には想像できないや。

「………」

なんだろう。
今………お母さんが見えた気がした。
ちょっとだったけど。
それでも見えた気がしたんだ。
私はそっと宙へと、手を伸ばした。
でも空を切るだけ。
何もつかめない。
当たり前だよね。

「恋………?」

「花宮さん?」

私の行動が不思議だったため二人に声をかけられた。
まあ………普通はそうだよね。
でも私はね、お母さんにもう一度会いたいんだ。
だから例え、夢だろうと追いかける。
つかみとるために。

「一瞬だけ………お母さんが見えた気がしたんだ。だけどたぶん気のせいだよ!大丈夫だよ、ごめんね………心配かけちゃって」

私は得意の作り笑いを二人に向けた。
もしかしたら本当はわかっているのかな?
私の笑顔が作り物だって………。
創ちゃんなら見破っているかもしれないよね。
だけど………見破らないで。
私の心の中に入ってこないで。
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