あなたに恋をする〜happiness〜
私は涙がでそうになるのを必死でこらえた。
二人には見られたくない。
だって………こんなの………嫌だよ。

「花宮さんに………話しておきたいことがあるんです」

「え………?話………?」

突然………羽山君から言われた言葉。
話って何?
嫌な話なら聞きたくないよ。
だって………私は羽山君のことが好きだから。
だから………恋愛の話とかは嫌だ。
聞きたくない。
だけど………。

「わかった。創ちゃん、はずしてくれる?」

「うん」

真剣な羽山君の顔を見たら、断れるものも断れないよ。
創ちゃんがすぐに出ていき、私たちは二人きりになった。
そして長い沈黙………。
一体どんな話をされるのかな?
私は胸がドキドキしていた。
このドキドキはきっと………羽山君と二人きりだからだ。

「僕は………」

数分してからようやく。
羽山君が口を開いた。
そして語り始めた。

「小6の時にひかれかけました」

「え………?」

最初に羽山君から切り出された内容は思いもよらぬものだった。
羽山君がひかれかけた………?
小6って、私のお母さんが亡くなった………

「その時に助けてくれたのが花宮さん。あなたのお母さんでした」
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