あなたに恋をする〜happiness〜

お母さんが亡くなった理由………は、羽山君を助けたから？
だからお母さんが亡くなったの？

〜光正side〜

「そして花宮さんのお母さんは僕に言ったんです」

僕は〝あのとき〟のことを思いだしながら目の前にいる。
僕を助けてくれた彼女のお母さんの言葉を言った。

『私の娘の………恋を………、守ってあげて？大切で………世界でたった一人の可愛い娘を………っ』

「〝守って、笑顔にしてあげて〟。そう言っていました。僕は………花宮恋という人物を探しました。ですが………わからなかった。でもあのとき出会ったんです、あなたに」

偶然だった。
一瞬………同姓同名かと思った。
だけど違う。
同姓同名なんかじゃない。
彼女は本物のあの人の娘さんだ。

『初めまして、花宮恋です』

自己紹介なんて全く入ってこなかった。
ただ………君の名前だけをずっと………頭の中で繰り返していた。
彼女とあの人は似ていた。
すごく。
髪の色。目元。話し方。
だけど一つだけ、違うのがあった。

「違うもの？」

「はい。僕的にはなんですけど………笑顔が違っかったんです。あなたのお母さんは心の底からあのとき笑っていました。でもあなたは………何かを押し殺して笑っていた」