あなたに恋をする〜happiness〜
最初………人目見たときから思っていた。
花宮さんの笑顔は………心の底からのものではない。
ー作られたものなんだと。

「だけど………それでもいいからこの人を守りたいと思ったんです。あの人の娘………花宮恋さんじゃなかったとしても僕はこの人を………守りたいとそう思ったんです。笑顔を………心の底から笑った笑顔を見てみたいと………」

僕は………彼女に恋をしていた。
ずっと………一目見たときから。
ずっとずっと、あなたに恋をしている。

「僕は………あなたのお母さんを殺してしまった。そのせいで………あなたはアイドルをやめてしまった。そして自分も死のうとして首を切ったんです。ですが浅かった。そのため死ねなかった」

『あれ、花宮さん。首にある傷は何ですか?』

あの質問は確認だった。
アイドルだと知ったから。
そして彼女のお母さんがいないと知ったから。
だから情報をたどると傷がある。
そう思ったから。
だからわざと訪ねた。
彼女はキョトンとしたかおで答えた。

「わからないんだよね」

そう言って困った顔をして笑う。
僕は胸が傷んだ。
彼女の記憶に残らなくてよかった。
だけど………それと同時に思った。
とてもひどい傷を負わせてしまったんだと。
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