あなたに恋をする〜happiness〜
忘れたくなるような心の傷を………。
そして僕は彼女が言っていた、〝happiness〟を調べて見てみた。
彼女は笑っていた。
心の底から。
だけど心の底から笑っていないともある。
よく見ないとわからないと思う。
彼女を本気で好きなのかが試されるだろうな。
そして僕は………彼女が本当にあのとき僕を救ってくれた娘さんだって知り、花宮さんと付き合っていいのかがわからなくなった。
付き合ったら迷惑かな?
花宮さんのお母さんに怒られるかな?
花宮さんはどう思うかな?
僕は自信がなかった。
きっと………小鳥遊君は知っていたんだろう。
あのとき、僕を助けたのが………花宮さんのお母さんだったったことを。
そして彼女の辛さと悲しみ、苦しみを一番近くでみて、支えてきたのも小鳥遊君だ。
彼ならきっとふさわしい。
花宮さんにふさわしい。
だから僕は諦めようとした。
けど………彼女を見ていると苦しそうだった。
彼と両思いだから付き合えていたものだと思っていたから。

「だから僕は………真実を小鳥遊君から聞いて、絶対に花宮さんを振り向かせたい、そう思いました」

話が全て終わると案の定、花宮さんは泣いていた。
そして僕も泣いていた。
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