あなたに恋をする〜happiness〜
だけど………話せない。
うまく………喋れない。

「うん、いいよ。なんとなくわかってた」

「………」

「恋が困ってるときに助けてたのは羽山だもんな。それに俺………恋のことほったらかしてふらっとどっかにいってたし」

「………創ちゃん、あのときはどこにいってたの?」

ずっと聞きたかった。
だって創ちゃんが私を放って行くなんて考えられなかったから。
だから知りたい。

「………恋に似合いそうなピンがあったんだ。だけど………買うのはやめた。恋だけど………恋じゃない。そんな気がした」

そうなの?
だからいなくなったの?
私のために………?
私なのに私じゃないってなに?
わからないよ………全然。

「とにかくはやく行けよ、羽山のところに」

「………でも」

「俺との話はいつでもできるだろ?羽山をはやく自分のものにしてこい!これが俺の………本当の願いだよ、恋」

そう言って笑った創ちゃん。
創ちゃん………下手くそだよ。
嘘つくのも………笑うのも。
泣くのを我慢してるってバレバレだよ………。
だけど、

「ありがとう!」

私は行くよ。
創ちゃんに背中を押されたからというのもあるけど………。
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