音のない君への告白
次の日の朝、通学路で上原に会った俺は昨日勉強したことを思い出しながら手を動かす。右手で拳を作り、こめかみのあたりにあててから下ろす。「おはよう」だ。朝起きる時に、枕を外す様子からこのような動作になったらしい。
上原はニコリと笑い、俺と同じように「おはよう」と言ってくれた。それが何だか嬉しい。人と関わって初めて嬉しいと思ったかもしれない。
俺と上原はクラスが違うため、関わりは少ない。でも挨拶だけでもするようにしていった。すると、上原の方から放課後などに俺に話しかけてくるようになった。おかげで、上原のことを少しずつ知っていった。
誕生日や好きなもの、色んなことを互いに教え合った。そしてわからない単語などは上原に教えてもらった。
「これが、コーヒーって手話」
単語がわからなかった俺に、上原が楽しそうに手話を教える。なるほど、そうするのか……。俺は「なるほど」と呟きながら、左手は何かをつまむ形にし、右手でスプーンを持ってかき回す仕草をする。
上原はニコリと笑い、俺と同じように「おはよう」と言ってくれた。それが何だか嬉しい。人と関わって初めて嬉しいと思ったかもしれない。
俺と上原はクラスが違うため、関わりは少ない。でも挨拶だけでもするようにしていった。すると、上原の方から放課後などに俺に話しかけてくるようになった。おかげで、上原のことを少しずつ知っていった。
誕生日や好きなもの、色んなことを互いに教え合った。そしてわからない単語などは上原に教えてもらった。
「これが、コーヒーって手話」
単語がわからなかった俺に、上原が楽しそうに手話を教える。なるほど、そうするのか……。俺は「なるほど」と呟きながら、左手は何かをつまむ形にし、右手でスプーンを持ってかき回す仕草をする。