恋を拗らせている。
ガタゴト言わせながら、入ってくる電車。
田舎すぎてホームが一つしかない。
今来た電車は俺たちと反対の方向に行く電車。
ほとんどの奴らがそこに乗って、電車が出発した後は、ほとんど人が残っていない。
俺たちと、ちょっとキャピついたスカートの短い集団くらい。



「弥那先輩、マネさん1人でしんどくないですか?」
「しんどいっていうか…やること多すぎて、みんなに手が回らないのが申し訳ない…」
「辞めちゃいましたもんね、みんな」
「うん…寂しい」



弥那はしゅんと、頭を下げる。
部活が始まる前に、女バレのやつに結んでもらっていた赤に近い茶色のツインテールがふわぁっと風に揺れた。



このツインテールも、やっぱり可愛い。
部活の時の髪型は動きやすいように割と機能的な、ポニーテールとかツインテールとか、簡単にまとめてることが多い。
女バレの奴らセレクトみたいだけど。



「もうちょっとみんなが部室を綺麗に使ってくれたら…私も割と楽なんだけどな」
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