恋を拗らせている。
「っ、と…セーフ」



俺は反射的に踏み込んで弥那の後ろから、ダンボールを押し戻す。



「あ…ありがと」



戸惑ったように笑うと、俺の下からスルッとすり抜けた。



どうやらいつも通り、部室の片付け中。
勢いよく開けた扉の音に驚いてしまったらしい。悪いことをした。



「この箱、取ればいい?」
「あ…うん」
「ん…重っ」



押し戻したダンボールを体制を立て直して持ち上げる。

よくこんなの取ろうとしたな…。
弥那がもったら絶対潰れる。



「あ、ごめんね…それ、ほんと重たくて。
いろいろガラクタとかも詰まってるから…ほんと、ごめん…」



弥那は俺からダンボールを奪い取ると、うぐっとか言いながら床に置いた。



「あ、そ、そっか、着替えるよね、一回出るね」
「あぁ…うん」
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