恋を拗らせている。

「あのね、えっと…やな、人が多いところが苦手でして。全校集会規模がもう、あんまり息できないと言いますか…。
だから、夏休みとか、みんながお休みの日に人が集まる場所に遊びに行けなくて…ごめんなさい」



ぺこぉっと深々と頭を下げて謝る弥那。



「うん、ごめん、俺も。
そういうの聞いてなかったから、単に俺と遊びに行くの嫌なのかと思って、誘えなくなって。ごめんな、気付けなくて」



弥那はフルフルと頭を横に振る。



「門限も…お父さんが心配性だからあんまり遅く帰れなくて…部活もして欲しくないって言われてたくらいで。だから、全然俊哉くんと帰れなくて…ごめん」

「俺が、だらだら他の奴らとつるんでないで、早く帰ればよかったんだよ、ごめん」
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