恋を拗らせている。
「チャラい顔してんのに、弥那先輩のことになると、行動に移さないというか。
告白したのも、気の迷いでしたか?奇跡ですね」



…。
ほんとにうっざい。
俺の勇気を気の迷い言うなし。



あれは、弥那の誕生日で。
部活時間外に頑張って話しかけてさ。
前々から考えてた言葉を頑張って絞り出した。

それで弥那も笑ってくれたのに。
…どこで間違ったんだろう。
どうして、俺の隣には弥那はいないんだろう。

好きだったから、おっけーしてくれたわけではなかった…。



…なんでこんな、後輩の一言にナイーブにならなきゃいけないんだよ。



「そんぐらい、好きだったんだよ」
「過去形なんですね。嘘、ついてると首締まりますよ?」
「うざいよお前」


最後の扉の鍵を閉め終えて、職員室に歩き出した。
これくらいまで引っ張ったら、弥那は帰ってるだろう。
邪魔、できただろうか。
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