恋を拗らせている。
「…言っときますけど、邪魔したところで今日は弥那先輩、残ってますからね?」
「…なにそれ」
「今日は遅くなっても大丈夫だからって言ってましたもん。残念でした」



…無駄じゃん。






───…






「弥那先輩、最寄りどこでしたっけ?」
「えっと…ここから6駅のとこ」
「あっ、僕より全然遠いですね。僕2駅なんですよねー」



駅のホームで繰り広げられる、弥那と和久の会話。
結局、和久に誘われて3人で帰ることに。
俺たちに挟まれた弥那はなんとも気まずそう。


そんなの俺だって気まずい。
ちなみに俺はここから7駅だから、最終的に弥那と2人で帰ることになる。
気まずい。



ザワザワと駅のホームは俺たちの学校の奴らで埋め尽くされていて、俺と弥那が並んでることにヒソヒソと何かを言っている奴らすらいる。

…俺に聞こえてる時点で、ヒソヒソなんて言わないのかもしれないけど。
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