*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「うん…。
心配かけてごめんね。

気にかけてくれてありがとう。

たぶん…泣いたり悩んだりするとは思う。

だけど真っ直ぐな蓮司を信じて、私も蓮司と向き合って一緒に生きていきたい」

「ん。
心配しすぎてるのはわかってる。

だけど何かあったら抱え込まずに頼ってこいよ?
何があっても明莉を俺は守るからな」

「ありがとうお兄ちゃん」

鞄の中の携帯がふるえた。

「噂をすれば蓮司から」

携帯を開くと

『お疲れ様。悪い、和希さんと夕飯食べてきて。竹内と朝陽と工場長、フロント昇進のお祝いしながら飯くって今後の仕事のやり方打ち合わせしてくる。ごめんな、明莉。
気を付けて帰ってきてね』

「あっ……お兄ちゃん蓮司会社の人たちとご飯食べてくるって。
だから、ご飯付き合って?」

「あぁ、喜んで」

蓮司のメッセージの中に朝陽という名前を見て、忘れていた今朝の片瀬さんからのメッセージを思い出す。

結婚式まであとひと月。

一瞬不安がよぎったが、頭を左右にふって不安を払拭する。

「お兄ちゃん、お寿司食べたい!」

「寿司か。
なぁ、たまには親父の店でも行くか?

高いけど、まぁ今日は奮発してやる」

「うわっ!やった!
ありがとう、和にぃ大好きっ!」

満面の笑みを浮かべた私の頭を和にぃはぽんぽんとして笑い返した。
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